日本青年館で、「おかしな二人」の千秋楽をみる。
ニールサイモンの喜劇。
ダンスなし歌もなしのストレートプレイ。
テンポの速いセリフと演技のみの勝負。
主役は専科の轟悠、
丁々発止の相方の華形ひかるに注目。花組の中心男役。
とにかく体当たりの演技で大役をこなす。
観終わった後は、「あー、なんだかほっとする」、
「本当にお疲れ様」といった感じ。
みつるの役はなんでもきれいに片づけないと気が済まない潔癖症。
もちろんなんでも度が過ぎればトラブルの種。
そんなやり取りがされるテーブルの上を片付ける場面で
コースターが出てくる。
写真はそれにちなんでみつるのファンクラブが作った
コースターのおみやげ。
さて、他の出演者はみんな花組の芸達者な者ばかり。
悠真倫、紫峰七海はもともと定評があっての選抜。
それに二人の女役、未亡人とバツイチの
初姫さあやと仙名彩世の息があっての好演技がまた出色。
バウや青年館でなければ
彼女たち二人の好演は観ることがないだろう。
さて弁護士的に言えば、
離婚事由、性格の不一致などと語られることが、
それでは尽くせない日常的な人生の中での悩みであり、
それでも毎日が過ぎていく人の営みである。
そこで生まれる喜怒哀楽が、ユーモアたっぷりに表現されている。
そんな中での登場人物の、
「窓から飛び降りて死んでやる」というようなことも含めたエネルギーには、
法律の狭隘性や無力感を感ぜざるを得ないのである。
そう、法律は決して威張ってはいけないし、
謙虚でなければならないのである。
なお、12月19日、初姫さあやから、
来年の「オーシャンズ11」東京公演をもって
宝塚歌劇団を卒業するとのご挨拶をいただいた。
さあやにとって忘れられない作品となることであろう。