暑い日であった。
弁護士不祥事が新聞を賑わせている。
これらのうち特に重大事案は一般の依頼者に与えた損害額も大きく、
刑事事件となっている。
監督官庁をもたず自ら懲戒権を有する日弁連・弁護士会として
この不祥事撲滅の課題は自治団体としての大きな責務である。
そのような中で、日弁連弁護士職務適正化委員会の中に
「不祥事対策部会」が設けられ活動を開始し、
7月10日第2回の会合がTKP東京駅前カンファレンスセンターで開催された。
昨今の重大事案の原因を分析し、その対策を立案することが任務であり、
今年中にある程度の成案をまとめる予定である。
原因はそう単純なものではなく、複合的な要因が重なりあっており、
それらが積み重なりながらある日一線を越えてしまう。
ほんの少しでも越えてしまうと止めどもないのだ、という感想をもった。
経済的要因も大きいが、性格、周囲の状況、人生設計の無計画性、などなど・・・。
より深い分析が必要である。
私も東京弁護士会の市民窓口委員として今般できた特別チームの一員に加わり、
調査活動に参加しているが、弁護士会の活動に参加してれば
その人は不祥事を起こさないなどというのは俗説であると確信している。
不祥事を起こして以後、参加しなくなる人はいるが、
参加しているからといって無縁であると言うことはできない。
またおおよそ親切なアドバイスなど聞く耳を持たず、
周囲に悩みなど語らず、交際はあるものの、
みんなが止めることができないというケースもある。
これからが知恵の絞りどころである。
そして弁護士業務の独立性の尊重を理由に一歩引くのではなく、
一般の依頼者の利益のために、線引きは困難ではあるが、
会の積極的な関与をある程度強化して行く以外、
弁護士自治を守る道はないのではなかろうかと考える今日この頃である。