年に一度、桜の季節が訪れる。
山あり谷ありの人生の節目で、多くの人が、心にそれぞれの希望をもって決意を新たにするときである。
一方、それはまた、不安や悲しみと隣り合わせでもある。
宝塚受験の若い乙女たちにとっても、それは残酷な結果であったりもする季節である。
世の中のあちこちで、大きなはじけんばかりの喜びがある。
その一方で、晴れがましい舞台では見えないが、苦しみ、もがき、立ち上がろうと悩む多くの若者たちがいる季節でもあることを忘れてはいけない。
多くのにぎわう桜の花の下で、大勢ではじけるのもいいだろう。
しかし、たった一本だけの目立たなない桜の陰で、一人静かに苦悩しながらがもう一度決意を新たにするのもいい。
人ぞれぞれに対する厳しい結果は、またそれを乗り越えることによって大きく成長することができるために神様が与えてくれた試練と受け止めることだ。
そしてその乗り越え方はその人その人にあったやり方があるだろう。
今年は、そんな気持ちで、桜を眺めてみた。
妙正寺川の枝垂桜