2014年03月23日

法曹倫理国際シンポジウム2014

3月21日-22日の三連休の二日にかけて、
東京大学本郷キャンパス山上会館において、
「弁護士の独立性と弁護士会の指導監督」をテーマにシンポジウムが開催された。

この間、全国において多額の金額の横領等の事件が相次いで発覚し、
弁護士の社会的な信用が大きく失われようとしている時機に、
それに対する対策を弁護士会が検討するにあたって
極めてタイムリーなテーマでのシンポジウムとなった。

一日目は、「弁護士の独立性と弁護士会の指導監督」の理論、
その比較法的研究として、CCBE倫理委員会委員のベルギー弁護士と、
米国における弁護士会の指導監督としてハワイ州のジャネット・ハント弁護士の講演、
翌日は依頼者保護という課題を中心に依頼者保護基金制度についての議論を行った。

私も、平成25年度から、日弁連の弁護士職務適正化委員会に所属し、
弁護士会の不祥事対策を担当することになり、
二日間勉強をさせてもらったものである。

米国の場合との大きな違いは、
米国は弁護士の監督権が裁判所にあり、弁護士の不祥事による損害発生について、
直ちに弁護士会の指導監督上の過失による賠償等に結びつかないのに対し、
自治権を持ち懲戒権を持つ弁護士会の責任に結びつきやすい構造になっている点にある。
被害者補償の制度を構想するにあたって、この点をどう考えるか難しいところであるが、
弁護士の社会的信用を維持するためには、
なんとしても26年度にはこの制度の構築に向けて
真剣な議論を行う必要を感じた次第である。
当日の冊子
当日の冊子

会場正面に大きく掲げられたタイトルの字幕
会場正面に大きく掲げられたタイトルの字幕

司会をする名古屋大学法科大学院森脇康友教授(国際法曹倫理学会理事)
3428司会をする名古屋大学法科大学院森脇康友教授(国際法曹倫理学会理事)

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