京都最古の神社である下鴨神社を訪ねる。
参道沿いに小川の流れる原生林、「糺の森」の森閑とした緑の中を歩く。
絶好の森林浴日和。
糺は「ただす」。
法律家としては、
刑事訴訟の構造について当事者主義か糺問主義かというところで
講学上記憶に残る文字である。
一体ここでは何が問い糺されたのだろうかなどと想像してしまうが、
日常の自己を反省し、神妙に襟を糺して通り抜けることこそ重要な心もちである。
もっとも、今、なによりも糺さなければならないのは、
戦争をしない平和国家から戦争をする国へと変えようとひた走る
一国の宰相であるかもしれない。
さてちょうどこの日は流鏑馬神事の前日でその準備と稽古が行われており
幸運にもそれを観ることができた。
ここを起点として、吉田山まで歩くこととし、神社に別れを告げる。
吉田神社が徒然草の吉田兼好の生家なら
糺の森に入ってすぐのところにある、河合神社という摂社、
こちらは方丈記の鴨長明の生家という。