宝塚雪組公演「一夢庵風流記 前田慶次」
そして宇崎竜童と阿木燿子が花を添えた「グランドレビュー」が
8月31日に千秋楽を迎えた。
そして、この公演限りで退団する、壮一帆のサヨナラショーは圧巻だった。
壮の歌声からは、ぐっと気持ちが伝わってくる。
歌唱力の向上はもちろんのことであるが、
それ以上に、何かを伝えたいという気持ち、心が伝わる、
そんな公演であった。
大地真央以来、30年以上にわたって、多くのサヨナラ公演を観てきたが、
こんなにも組子の気持ちが一つになったサヨナラ公演は初めてのような気がする。
各組に、リーダーとして組長さんいるが、
こと舞台に関してはトップスターは同時に統率者でもある。
リーダーは常に一定の資質を求められ、人格者でもあらねばと思う。
私は今回の舞台を観て、トップリーダーは如何にあらねばならないかを学ばせてもらった。
ライバルや若いメンバーに対する思いやり、あるいは優しさ、
そのようなものが絶対に必要ではないか。
また弁護士として依頼者に対する気持ちは、
舞台の大勢の観客と個別の依頼者という違いはあるものの、
舞台人の観客に対する気持ちに繋がるものがあるように、私には感じられた。
また、私は越後人。
当然に直江兼続の大ファンであるが、その中に登場する前田慶次には興味があった。
そこで今回は、隆慶一郎の原作を読み、多いに楽しみにしていたが、
前田慶次の生き方は、なぜか壮の人生に重なって見える。
宝塚卒業後の人生も、いい人生であってほしいと思わずにはいられない。
Soさん。本当にお疲れ様でした。
今回は、壮一帆のほか、未涼亜希、麻樹ゆめみ、らが退団した。
各々、卒業する生徒さんのファンクラブの皆さんが、
千秋楽独特の白い服装でチケットの案内などを劇場前で行うのも
宝塚ならではの風景である。