季節の移り変わりは早い。
私の住む杉並の自宅周辺の散策。
杉並出身の小柴さんのノーベル賞受賞を記念して名付けられた
「科学と歴史の散歩道」という散策路がある。
妙正寺公園から妙正寺川に沿って、小さな公園をつないでいる。
出発点の近くには清水森公園があって、夏は鬱蒼とした樹々が繁る。
けやきやいちょう、えのきなどが、
すべての葉を落として丸裸になっている如月、弥生
その下辺あたりの小径にそって
一杯に匂う「沈丁花」が咲いていた。
「沈丁花」というと、古い宝塚ファンには
あの「沈丁花の細道」を思い出す方もおられるだろう。
昭和59年8月東京月組公演。
もちろん主役は当時ときめく大地真央、相手役は黒木瞳
「細道を踏み分けると 沈丁花の香りがそこに、
秘めやかに甘く匂う 沈丁花の香りがそこに・・」
主題歌をそっと口ずさみながらの朝の散策。
当時の月組のメンバーは、すごい。
当時のプログラムをひっぱりだしてみた。
2番手が剣幸、3番手四人組に、旺なつき、涼風真世、桐さとみ、郷真由加、
今は専科の未沙のえる、京三紗、星原美沙緒、汝鳥伶、邦なつき、梨花ますみ
女役には芸達者な春風ひとみ、仁科有理、歌がすばらしかった条はるき、
ダンスの芹まちか、そして、こだま愛、大峯麻友、麻路さき、久世星佳。
そんな時代だ。
私の弁護士登録は昭和55年だから、当時はまだ経験5年に満たない駆け出し弁護士だった。
山本周五郎原作の話は、抜け荷、賭博など不法な歓楽街壕外の大掃除を託された、若き町奉行。江戸から帰ったばかりの好男子。もちろん扮するは大地真央。そしてそれを取り巻く色模様。
その記憶が台本の台詞とともにまた蘇る。
それから、25年。
季節の花は、毎年毎年咲き続ける。
このような美しい地に、美しい文化。
誰か壕外の大掃除をした大地真央のように、
今の政治の大掃除をしてくれるスターはいないものか。